「態度が悪い」と言われたら|接客対応クレームの原因とNG対応10選を解説

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中小企業診断士(経済産業大臣登録)
ProClaim合同会社 代表社員・花村憲太郎
クレームやカスハラを減らすだけでなく、顧客満足度を高めます。
元コールセンターの品質管理チームマネージャーで、3,000件以上の対応経験に基づいた、実践的で再現性の高いノウハウを持つ専門家です。
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本コラムは、「現場でそのまま使えるノウハウ」をまとめたものですが、重要なことは、研修や業務フローに反映し、現場にしっかり落とし込んで行くことです。

👉組織としての対策は、こちらのコラムで詳しく解説して行きます。

「対応クレーム」とは、態度、言葉遣い、表情など、接客対応におけるクレームを指します。

対応クレームは従業員に直接剥けられるため、強いストレス要因となりがちなため、適切に対応することは簡単ではありません。

そして、対応クレームがハードクレームやカスハラ(カスタマーハラスメント)に発展した場合は、ますます従業員を追い詰めることになってしまいます。

飲食店、販売店、宿泊業などの対面接客業では、

  • 「態度が悪い」
  • 「言葉遣いが気に入らない」

といったいわゆる対応クレームが、他業種に比べて発生しやすい傾向があります。

一方、クレーマーやカスハラ加害者から見ると、以下のような特徴があります。

  • 来店すれば、いつでも従業員に直接アプローチできる。
  • 暴言・動画撮影・威圧など、直接的な加害行為が可能。
  • 電話と違い、「与し易い相手」を選んで攻撃できる。

実際、筆者の知る飲食店の例では、対応クレームにおける初期対応の失敗でカスハラとなり、店長がランチタイムに長時間の対応を強いられた挙句、そのまま従業員が退職してしまったという例もありました。

まずは、「なぜこのクレームが起きるのか」という“土台”を理解することで、 後のNG対応や初期対応が格段に分かりやすくなります。

そこで本コラムでは、対応クレームのよくある原因を踏まえて、カスハラに発展させがちなNG対応と、その対処方法について、実体験に基づいて具体的に解説します。

従業員の離職や炎上を防ぎたい経営者の方へ
「態度が悪い」クレームは、初期対応を誤ると カスハラ化・長時間拘束・離職 に直結します。

現場任せのままでは、同じ問題が必ず再発します。

店長が抱え込み、改善が進まない状態は“構造的リスク”です。
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「態度が悪い」と言われたら|接客対応クレームの原因とNG対応10選を解説

対面接客で「態度が悪い」クレームが起きやすい理由

対面接客業のクレームには明確な“構造的特徴” が存在します。

そのため、突発的に発生したクレーム・カスハラに対し、孤軍奮闘での対応を強いられ、その結果として、従業員が泣き寝入りしたり、離職につながったりするケースも少なくありません。

このように、対面接客業では 態度が悪い”という主観的なクレームが構造的に発生しやすい のが実情です。

そこで、まずは、なぜ「態度が悪い」クレームが起きやすいのか、構造から整理します。

クレームとカスハラの違いを整理した解説はこちら

商品不満が「人への不満」に転嫁される構造

商品やサービスに対する不満が、お店や従業員への不満にすり替わりやすい理由としては、目の前にいる従業員やスタッフを気軽に捕まえてクレームをつけられる、ということが挙げられます。

これは、飲食店、販売店、宿泊業などの対面接客業では、避けて通ることができません。

例えば飲食店で、料理の提供が遅れた際に
遅いのは仕方ないが、その態度は何だ
と怒りの矛先が従業員に向くケースは珍しくありません。

本来はオペレーション上の問題であるにもかかわらず、目の前にいる従業員が責任を負わされる構造 が存在していることには注意が必要です。

非言語情報が多く、誤解が生まれやすい

対面接客は、電話やメールと異なり、次のような非言語情報が大量に含まれます。

  • 顔や名前を覚えられやすく、個人攻撃の標的になりやすい。
  • 表情、姿勢、声のトーン、服装などが覚えられやすい
  • 直接接触すると、印象に残りやすい

これらは、顧客の感情や先入観によって大きく解釈が変わります。

そのため、本人に悪意がなくても、誤解が生まれやすいのが対面接客の特徴です。

クレームに紙のマニュアルが効きにくい

表情、目線、姿勢や声のトーンなどの非言語情報は、紙のマニュアルに落とし込みにくいため、経験が十分ではない新人には、具体的にどんな対応なのか、イメージがし難いです。

また、例え対処方法がマニュアルに書かれていたとしても、以下のようなポイントには注意が必要です。

  • 実際にクレームが発生した時に、分厚いマニュアルを読みながら対応することはできない
  • 折り返しにできたときの判断や事後処理には使えても、その場の対応にはあまり役に立たないとい

忙しい時間帯ほど態度が悪く見える仕組み

ピークタイムは、従業員の動作が早くなり、表情も固くなりがちです。
これは自然なことですが、顧客からは
急かされている
雑に扱われた

と受け取られることがあります。

特に飲食店では、忙しさによる表情の硬さが“態度の悪さ”と誤解される典型例 です。

顧客側の心理・期待値に左右される

顧客の心理状態も、クレーム発生に大きく影響します。

以下のような状態の顧客は、些細な言動を攻撃材料にしやすくなります。

  • 仕事帰りで疲れている
  • すでにイライラしている
  • SNSで「接客が悪い店」と見て来店している
  • 「お客様は神様」という価値観を持っている

実際、店長が丁寧に対応しても「気に入らない態度だ」と言われるケースは少なくありません。

「態度が悪い」は主観評価でエスカレートしやすい

「態度が悪い」という指摘は、客観的な根拠が曖昧です。
そのため、従業員が説明しても噛み合わず、火に油を注ぐことがあります。

  • そんなつもりはありません
  • 誤解です

こうした説明は、相手の感情を否定する形になり、クレームがトラブルへ格上げされる典型的なパターンです。

また、クレーマー側にとって従業員の態度そのものへの非難は、契約条件や手続きと切り離したは“勝ちやすいテーマ”であるため、攻撃材料として利用されやすいのも特徴です。

経営側が気づきにくい“構造的リスク”

経営層やエリアマネージャーが現場に常駐していない場合、次のような問題が見えにくくなり、トラブルへの対応が現場任せ・従業員任せになりがちです。

  • 店舗ごとに対応レベルがバラバラ
  • 店長が現場対応に追われ、改善が進まない
  • クレーム記録が残らず、再発防止ができない
  • 従業員が泣き寝入りし、離職につながる

特に、「店長がすべて抱え込んでしまう」構造 は、多くの店舗で起こりがちな課題です。

この状態が続くと、従業員の離職・炎上・店長の疲弊が避けられません。

似たような対応クレームが続いている方へ
カスハラに発展させない「初期対応チェックリスト」

同じ様な対応クレームが定期的に発生している場合、まず、初期対応が適切にできていない・現場任せで対応が属人的になっている、といった可能性があります。

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接客で“態度が悪い”と言われたときのNG対応10選

対面接客の現場では、突然、「なんだその態度は!」など対応クレームが発生することがあります。
しかし、唐突に思えてもお客様にとっては相応の理由があり、その瞬間の対応を誤ると、クレームが一気に“トラブル”へと格上げされてしまいます。

そのため、原因が分かったところで、次は 現場で最も起きやすい“やってはいけない対応” を整理します。

これらは、スタッフが悪意で行うのではなく、 “早く収めたい”という善意から起きるケースがほとんどですが、誤るとクレームが一気に炎上するため、注意が必要です。

反射的に否定する・遮る

「そんなつもりはありません」
「誤解です」

こうした言葉は、従業員としては“事実を説明したい”だけでも、顧客からは 感情の否定 と受け取られます。

対面接客で既にクレームになっている場合は、顧客の怒りは“感じ方”に基づいているため、否定されると火に油を注ぐ結果になりがちです。

特に、反射的に否定しようとしてお客様を遮ってしまうと、
「話しを聴く気が無いのか!?」
「俺を軽んじているのか!?」
など、一気に怒りが跳ね上がることになりかねないので、注意が必要です。

言い訳から入る

忙しさや他のお客様への対応を理由にした説明は、現場ではよくやりがちです。

しかし、顧客からすると
「正当化している」
「責任逃れをしている」

と受け取られます。

実際、筆者が相談を受けたある飲食店では、注文の遅れを指摘されたこと対し、スタッフが反射的に「混んでいたので」と説明したところ、「混んでるのはそっちの都合だろ!」と怒りになったという事例もありました。

クレームワードを繰り返す

「態度が悪いと言われましても…」
「態度が悪いというのは…」

顧客の言葉をそのまま返すと、“形を変えた否定” と受け取られ、怒りを再刺激します。

「それは大変失礼しました」

など心情に対する謝罪でいったん受け止めることが有効です。

表情・態度で不満を示す

下記のような態度は、顧客にとっては「反抗的」「やる気がない」と映りやすいです。

特に対面接客では、非言語情報が大きく影響するため、スタッフが意図していなくても誤解を招きます。

  • ため息
  • 目線をそらす
  • 無表情
  • 腕組み

また、普段は推奨される笑顔も、お客様がお怒りの場面では「笑われた」「馬鹿にされている」と受け取られ、火に油となる可能性があるため、注意が筆ようです。

棒読みの謝罪

「申し訳ございません…(無表情・単調)」
という謝罪は、顧客にとっては“形だけの謝罪” に見えます。

謝罪は、真摯に謝罪していることが伝わらなければ、その場しのぎに見えて逆効果になりかねません。

ここまでが、クレームが起きる構造の全体像の解説でした。
次に、現場で最も起きやすいNG対応を整理します。

その場で無理に解決しようとする

権限がないのに即答してしまうと、後から覆った際に
「嘘をついた」
「話が違う」

とさらに炎上します。

特に店長不在時のアルバイトスタッフがやりがちなNG行動です。

相手に合わせて声を荒げる

対策本の中には相手に合わせて声を荒げることを推奨しているものもありますが、怒鳴られたからといって、「こちらも負けられない」と声を荒げてしまうと、クレームは一気に“トラブル”へと発展します。

最悪の場合、従業員が加害者扱いされるリスク すらあるため、十分な注意が必要です。

それだけでなく、クレーマー相手に怒鳴り合ったりすることは、従業員にとっては大きなストレスなので、お勧めできません。

過剰な譲歩をしてしまう

「とりあえず無料にします」
「今回は特別に…」

など、その場を収めるために譲歩すると、顧客は 押せば通る” と学習し、要求がエスカレートします。

これらの対応は、カスハラ化の典型的な入り口です。

記録を残さない

クレーム対応で最も危険なのが、記録を残さないこと です。

記録を残さなければ、後から高い確率で「言った or 言わない」の問題が発生します。

記録が残っていないと、複数店舗を展開されている場合、クレーマーが他の店舗に行った時に一貫した対応ができず、付け入る隙や炎上のネタを与えてしまうことになりかねません。

複数店舗を管理する経営者やエリアマネージャーは、クレーム対応の記録状況が曖昧であることは、大きなリスクと言えます。

スタッフ同士の目配せ・ヒソヒソ話

クレーム対応中に、スタッフ同士が以下のような行動を取ると、顧客はほぼ確実に 「バカにされた」「裏で何か言っている」 と感じます。

  • 目を合わせて苦笑い
  • 小声で相談
  • 後ろでコソコソ話す

実際、私が相談を受けた飲食店でも、 “厨房に戻って相談しただけ”なのに 「陰口を言われた」とクレームになった事例があります。

後半のNG対応は、クレームを“トラブル”へ格上げする典型例です。
特に「記録がない」「譲歩しすぎ」は、組織的な損失につながります。
対応クレームが続く企業向け
対応クレームが継続的に発生している場合は、組織的な対策の仕組みを講じなければ、決して、自然に起こらなくなることはありません。

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接客クレームを炎上させない初期対応5選

「態度が悪い」というクレームは、感情的で内容も曖昧です。

そのため、感情的なお客様に対しついこちらも感情的になってしまい、中には、負けじとばかりに言い返そうとしている方もいますが、全くお勧めできません。

むしろ、感情的な相手に対し感情的に対応しても、ますます炎上するだけです。

クレーム対応の目的は、“ お客様に勝つこと ”ではありません。

クレームを炎上させず、従業員に被害がでなければ、それで十分です。

そして、クレームを“炎上させない”ためには、 初期対応の型を持っているかどうか が決定的に重要です。

そこで本項では、炎上させないための適切な初期対応が最も重要 を解説します。

対面だけでなく、電話でのクレーム・カスハラ対応のポイントは、こちらで詳しく解説しています。

謝って済ませられるうちに済ませる

対応クレームは、初期対応が遅れるほどこじれ、解決が遠のきます。
その反面、誤解が原因なら、早期の謝罪でほぼ収まります。

時折、「責任問題になるので、事実関係が不明確なうちは安易に謝罪しない」としている対策本などを目にすることがあります。

しかし、特に初期段階の対応であれば、「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。」など、お客様のお怒りの気持ちに対し速やかに謝罪し、それで済ませてしまうことを強くお勧めします。

ポイントは、“事実関係に対する謝罪”ではなく、“感情に寄り添う謝罪”をすることです。
これにより、顧客の感情が一段落し、話が進めやすくなる可能性があります。

謝罪と説明を分ける

謝罪と説明を同時に行うと、言い訳に聞こえてしまいます。
以下のようにワンクッション置くことで、顧客の受け取り方が大きく変わります。

  • ステップ1「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。」
  • ステップ2(数秒の間を置く)ここが重要!
  • ステップ3「状況を説明させていただいてもよろしいでしょうか。」

なお、謝罪の後で、説明に先立つ確認に時間を要する場合などには、「恐れ入りますが、お掛けになれる席でお待ちください」と落ち着ける場所に誘導し、改めて説明することも有効です。

言い訳をしながら謝罪しない

H3:言い訳をしながら謝罪しない

例えば、以下のような“言い訳つきの謝罪”は、「言い訳しながら謝罪するな!」「こっちが悪いと言うのか!」など、顧客の怒りを増幅させるため、注意しましょう。

  • 「そう聞こえたなら申し訳ありません」
  • 「申し訳ございません、でも…」
  • 「すみません、ただ…」
  • 「悪いとは思っているんですが」

沈黙を恐れず落ち着いたトーンで話す

クレームの場で落ち着いて話すのは、想像以上に難しいことです。

そのため、普段から「自分はどんな話し方をすれば落ち着いて聞こえるか」を意識しておき、できれば、スタッフ同士のロープレなど練習機会を作っておくと良いです。

特に、以下のような対応は、会話をペースダウンさせ沈静化させる効果があるので、お勧めです。

  • お客様よりもゆっくりとしたペースで話す
  • 話すときには、「、」と「。」で十分な間を空ける
  • 普段よりも2トーンくらい低く話す

必要な場合には責任者にエスカレーションする

必要と判断した場合には、「責任者に確認いたしますので、少々お待ちください。」などと伝え、上司に交代しましょう。

店長やマネージャーなどの責任者が出ることで、顧客の態度が和らぐこともあります。

ただし、簡単に上司にエスカレーションし過ぎると、「こいつじゃ駄目だ」と信頼を失ったり、ゴリ押しすれば決裁権のある責任者に交代させられると思われてしまったりし、かえってこじれる可能性もあります。

自分が担当者として責任を持って対応をする姿勢を示しながら、重要なポイントは責任者にも確認しながら進めることが重要です。

また、シフト制で店長不在の時間帯のあるお店の場合などは、ガイドラインやマニュアルによりエスカレーションの基準や手順、セカンドの優先順位(エリアマネージャーに連絡するなど)を明確にしておくと、対応品質が安定し従業員も安心して仕事ができます。

『上司を出せ!』と言われたときの正しい対応はこちら

まとめ|ノウハウを共有し、クレーム・カスハラ対策の属人化を防ぐ

今回ご紹介したノウハウは、特別な才能やテクニックがいらない、再現性の高いものです。

ポイントは、こういったノウハウの習得を現場任せにせず、ガイドラインの作成、マニュアル化、研修などにより、組織全体として習得し、誰もが同じように対応できる仕組みを作ることです。

もし、クレームやカスハラへの対応に長じた人は対応できても、苦手な人や不慣れな人が運悪く当たってしまうと、ランチタイムに長時間拘束され、店長まで狩り出された挙句、従業員が退職してしまうのでは、従業員にとっては恐怖ですし、企業にとってはリスクそのものです。

そのため、ぜひ、本コラムで紹介した内容のマニュアル化や研修にすることを強くお勧めします。

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